身内に野菜を届けるのが楽しくなってきた。
感想が、ちょっと大げさにいえば、真に迫っているからだ。
―甘いか酸っぱいかよくわからなかった
(パッションフルーツ)
―ちょっとかたかったなぁ
(茎ブロッコリー・カイラン)
どちらもつれ経由で届いた義父の言葉だ。
―何もつけなくて生で食べたら美味しかった
(ミニカリフラワー)
―立派な人参だ。明さんは腕をまたあげたな
(金時人参)
これも同じだ。マイナスコメントもあるのでプラスが余計にひびく。
つい、にやりとなってしまう。
つれは毎月通っているケーキ教室の帰りに、そのケーキをもって
実家に帰る。うちの採れたても一緒に、となる。
もう2年近く野菜の定期便が続いている。
先日、素人菜園では初収穫の「コカブ」を届けた。
毎回届ける野菜は、プロがつくったスーパーで並んでいるものと
比べると見劣りがする。そんなことは先方も承知と思うが、
今回は勘違いしてほしくない気持ちが沸いた。
育ちが悪いのではなく元々小さいコカブだって伝えてね、
と送り出した。
翌日、義母がすこし興奮した様子でつれに電話してきた。
(娘の誕生日を祝う電話だったはずがその話も途中で)
―それよりあなた、あのカブ、ほんと美味しいわよ。
塩昆布とオリーブオイルをかけて生で食べてごらんなさいよ。
「それ」が誕生日のことかはわからないが、喜んでもらえたのは
何よりだ。はっぱもジャコと炒めてふりかけになったようだ。
無農薬がわかっているので安心なのだろう。
―カブをあげて「かぶ」があがる。うん、悪くないな。
いかにもうまいことを言ったふうでさらにつづけた。
―ところであのカブは小カブだってお母さんに言ってくれた?
ふくらみかけた僕の「かぶ」が、すぐ小さくしぼんだ。
記:根本
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