ボケには2つある。
意図しない天然のボケと意図する人工のボケだ。
定義上はそうなのだが、この中間にあたるボケもある。
これはわざとかな、いや、たまたまかな、と、
こちらに考えさせる。
このタイプに会うとたまらなく得した気分になる。
以前、新宿のネパール料理店でランチを楽しもうとメニューを
選んでいるときに気がついた。AランチはあったがBはなかった。
「これ、ただのランチセットでよくない?」
そんなやりとりを厨房で毎日ニヤリ見ているのだろうか。
店員が日本人ではなかったので、わざとかどうかはわからない。
「日本の朝食」をコンセプトにした素敵なお店が京都と鎌倉にある。
『喜心』の朝食は完全予約制だが、最終スタートは午後2時だ。
「おいしい朝ご飯だったね」
と店を出ると午後の3時半。一度やってみたい。
そんな特別な目で探さなくても、身の回りにボケてるものは
たくさんある。
毎日使う歯磨き粉。これが粉でなくなって半世紀は経っている。
49歳の僕は一度も粉を使った記憶がない。
洗面所で、誰か早くつっこんでくれないかと待っている。
下駄をいれない下駄箱、筆がはいってない筆箱、
乳母が押してない乳母車…。
そうだ。僕が運転するとき隣につれが座る。免許を持たず
地図も読めないが、シート名は「助手席」だ。
数年前の今頃、スナックを食べたあとにこんな表記を目にした。
原材料に「焼きいも」とあった。
「えっ、単にさつまいもじゃだめなの?」
そう思ったら一つあけてさつまいもも書いてある。
「えっ、焼きいもの原材料がさつまいもじゃないの?」
市販されている食品の記載だから、天然であれ人工であれ
ボケは許されない世界かもしれない。
だがかたい事は抜きにしよう。
解けない謎をなげかけてくれるこのパッケージは、
僕にとって極上の「中間」なのだから。
記:根本
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