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目のつけどころの鍛え方(15)
- 2019/1/15
- 目のつけどころの鍛え方
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目のつけどころを鍛えるには、たくさん目をつけるといい
と話をしてきた。
「目をつける」のは、自分の常識と非常識の間にある分野だ。
そこを案内してくれる人や本の大事さにもふれた。
しかし実は、「たくさん目をつける」だけでは不十分だ。
興味を全方向に「発散」して目をつけるだけではたりない。
あとなにが必要か。
発散のあとの「収束」だ。
目をつけたことを、いま一番興味のある分野に収束する。
発散→収束→発散、の繰り返しが、目のつけどころを鍛える。
少し前の話をしよう。
寿司屋のカウンターで大将がこんなことを言っていた。
―今日のフグはうまいよー。5日寝かしたからね。
ん?鮮度が命の寿司屋で、寝かした日数自慢?
しめさばじゃあるまいし…。
僕の疑問を察してか、大将は笑いながら続けた。
―鮮度が抜けると、質が残るんだよ。
だからうちではフグはすぐに出さないの。
なるほど、そうか。
魚が持つ「質」を出しきるために
わざと鮮度を落とすのか。
食のプロではない僕がここに目をつけるのは「発散」だ。
その時は「収束」に向かうこともできた。
今一番興味のあるキーワードは「シニア」だ。
三年前に出したエッセイ『目のつけどころはシニアに学べ』
では、シニアじゃない位置からシニアをポジティブに語った。
寿司屋のカウンターで大将のことばを聞いたとき、
あるシニア友人の顔がうかんだ。
まったくもって失礼ながら、多少鮮度は落ちているものの、
その分、質の輝きが増している方だった。
「記:根本」
*究極の個人レッスンを目指す『上達の約束』
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