目のつけどころの鍛え方(15)

目のつけどころを鍛えるには、たくさん目をつけるといい
と話をしてきた。

「目をつける」のは、自分の常識と非常識の間にある分野だ。
そこを案内してくれる人や本の大事さにもふれた。

しかし実は、「たくさん目をつける」だけでは不十分だ。
興味を全方向に「発散」して目をつけるだけではたりない。

あとなにが必要か。

発散のあとの「収束」だ。

目をつけたことを、いま一番興味のある分野に収束する。

発散→収束→発散、の繰り返しが、目のつけどころを鍛える。

少し前の話をしよう。
寿司屋のカウンターで大将がこんなことを言っていた。

―今日のフグはうまいよー。5日寝かしたからね。

ん?鮮度が命の寿司屋で、寝かした日数自慢?
しめさばじゃあるまいし…。

僕の疑問を察してか、大将は笑いながら続けた。

―鮮度が抜けると、質が残るんだよ。
だからうちではフグはすぐに出さないの。

なるほど、そうか。
魚が持つ「質」を出しきるために
わざと鮮度を落とすのか。

食のプロではない僕がここに目をつけるのは「発散」だ。
その時は「収束」に向かうこともできた。

今一番興味のあるキーワードは「シニア」だ。

三年前に出したエッセイ『目のつけどころはシニアに学べ』
では、シニアじゃない位置からシニアをポジティブに語った。

寿司屋のカウンターで大将のことばを聞いたとき、
あるシニア友人の顔がうかんだ。

まったくもって失礼ながら、多少鮮度は落ちているものの、
その分、質の輝きが増している方だった。

「記:根本」

*究極の個人レッスンを目指す『上達の約束』

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