相手が打つ手にも意識を向けよう
今回はオンライン囲碁コミュニティ「かけつぎ」での12級と8級の方の3子局が題材です。
囲碁では3手先を読む習慣が身についていると、一局通じて安定した手を打てます。
自分の次の一手→相手の対応→それに対する自分の対応、とイメージした上で、次の手を選んでいくのです。
しかし2桁級の方がいきなり3手読もうとすると、けっこうたいへんだと思います。一局打つ頃にはヘトヘトになってしまうでしょう。
そのためまずは2手先までを考えるようにしてみてください。
自分が打ったら相手はどう来るだろうか。そう考える習慣をつくることがポイントとなります。
具体例となるテーマ図を見ていきましょう。
(実戦図)
白が39手目で4線に打ち込んできた場面です。
黒としては、次の一手をどこに打つでしょうか。右上と上辺のそれぞれ黒2子が気になりますね。
(実戦つづき)
実戦は40と打ちました。2ヶ所の黒をつなげようという意図が伝わってきます。
しかし白はそれを当然許しません。白41で分断されてしまいました。
黒42から右上側を優先して補強しましたが、その流れで白47まで進み、上辺側の2子が弱くなってしまいました。
つながろうという狙いをもって打てたのは良かったですが、相手が分断してくることまでイメージできていなかったようです。
(参考図1)
この場合は黒がつながることはどうしても難しいです。右上と上辺の距離が広いからですね。
そのため反撃したい場面でした。反撃せざるを得ないといっても良さそうです。
具体的には黒1の一間トビ。
打ち込んできた白を弱くさせます。その流れで白4まで進むことが考えられます。
(参考図2)
今度は黒5から左上隅の根拠を奪えます。
右上隅の黒も気になるところですが、当面は左上隅が急場となります。黒11に対しても、基本的には左上隅を補強することが推測されるので、その後で右上隅を補強すれば黒が十分といえるでしょう。
2手先をしっかり読めれば、実戦の40は打たずに済んだかもしれません。
囲碁は自分がやりたいことを考えるのが第一ですが、それと同じくらい相手の狙いも考えることが大切です。
自分なりの推測で構いませんので、ぜひ2手先をイメージしてから着手する習慣をつくっていきましょう。
(参考図3)
ちなみに打ち込みに対していきなり右上隅を補強すると、白2から上辺側に先着されてしまいます。
黒3から上辺を補強すれば取られることはありませんが、白4とコスまれて、右上隅に悪影響が及んでしまいます。
参考図1のトビが有力な一手でした。
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