この石も捨てちゃいましょう
「捨て石」を苦手に感じている方は多いと思います。
相手に取らせた分をしっかり回収できるのかがイメージづらいことが、原因の一つかもしれません。
「捨て石」の感覚を磨くには、たくさんの成功例に触れることがポイントとなります。
うまくいった時の流れや、盤面の評価の仕方などを知ることで、少しずつ自信を持てるようになるのです。
この記事ではオンライン囲碁コミュニティ「かけつぎ」での一局を題材に、捨て石の見極め方を紹介します。
対局会で手空きだった初段の方と井桁インストラクターの対局です。(練習対局なのでハンデは定先です。)
まずは実戦図を見ていきましょう。
(実戦:1〜82手目まで)
左辺全体で大きな戦いが起こりました。
白は74手目で黒の狭いスペースに打ち込み、82手目で黒を2つのグループに分断できました。
このあと黒は頑張って対応したものの、もともと白が強いエリアだったこともあって左上の3子が取られてしまいました。
黒はどうするのが良かったのでしょうか。
(参考図1:黒79手目の別案)
黒79手目では左上の2子を捨てる判断が大切でした。
取られると左上の白地は増えてしまいますが、上記の通り左辺は白が強いエリアです。
もともと強かった石がさらに陣地をつくっても、黒は気にしないで大丈夫です。
それよりも黒は左辺の4子が補強されることの方が評価できます。しかも黒11とケイマでプレッシャーをかけられます。
左辺の6子が弱いため白は12と守るくらい。
黒13とハネたあとも中央付近に黒石が増えることが予想され、中央の白模様を自然な流れで削減できそうです。
(参考図2)
参考図1の白2で、頭を叩かれるのを嫌ってノビたとすると、黒に下から渡られてしまいます。
弱い黒石どうしがつながり、さらに白4子の根拠を奪えれば黒が満足。もっとも効率の良い補強です。
白はこの展開も選びたくないとなると、そもそも強引に打った74手目があまり良い手ではなかったようです。
(参考図3:白74手目の別案)
実戦の白74は無理な攻めでした。
白1と軽く封鎖する方が、安心して攻め続けられたでしょう。
黒を取れるわけではありませんが、白3,白5とケイマでプレッシャーをかけながら気分良く中央を拡大できました。
それぞれの参考図を確認しながら、捨て石の効果を確認してみてください。
「捨て石」については、井桁インストラクターのYouTubeチャンネルに解説動画があります。
石を捨てる判断は、どこをどう見ればいいのか話していますので、ぜひご覧ください。
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はじめての捨て石【ざっくり学ぶ囲碁講座#10】
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