必ず得できる!
戦いを優位にするには、よーいドン!とスタートダッシュを切ることが鍵となります。
黒白交互に打つため、一度劣勢になってしまうと挽回するのはなかなか大変です。
戦いでは石がごちゃごちゃとぶつかっているので、何を考えたらいいかわからない時もあるかもしれません。
ただそんな中で、ここさえ打てれば必ず得できる急所があります。
テーマ図は12級と10級の方の2子局です。
(オンライン囲碁コミュニティ「かけつぎ」で打たれたもの)
(実戦図)
ポイントは白85手目です。
右下の黒3子はまだ安定していません。つまり弱い石です。
この石をうまく攻められれば白は得できます。そして85手目ではもっと厳しく迫る手がありました。
(実戦では黒白ともに右下を30手分ほど放置していました)
(参考図1:白85手目別案)
白1と相手の頭を叩く地点が急所でした。
黒3子はあと3手で取られる状態となり、ダメヅマリになっているのがわかります。
みなさんはこの黒はどのように見えますか?
あと3手もあるならだいぶ余裕があるんじゃないかと思っている人もいるかもしれません。しかし棋力が高い人はこの黒がいかに危険かがわかると思います。
この黒は本当に嫌な状態なのです。その証明となる図を下記にいくつか載せます。
(参考図2:黒2別案)
黒も取られるわけにはいかないので対応します。
もし上図のようになれば、それだけで実戦よりも黒地がへこんでいるのが分かります。その分白の勢力が広がっているのもわかりますね。
実戦図とたった一路の違いですが、その変化はとても大きいのです。
(参考図3:黒2別案)
白3で二段バネする図もあります。
自ら傷を作る手なので打つのに勇気がいるかもしれませんが、相手がダメヅマリの時はとても有効です。
二段バネには白7のアテ返しがセットの手筋と覚えておくとよいでしょう。
(参考図4:黒2別案)
白1は逃したくない急所なのですが、多くの人が打てないのはこの黒2の切りが怖いからだと思います。
しかし切られても問題ありません。白3とサガればその時点で攻め合いは白が有利です。黒も抵抗しますが最終的には取られてしまいます。(この時点で右下隅では生きられません)
切られるのは不安ですが、そこさえ打てればあとは明るい図を見つけられるでしょう。
(実戦図つづき)
実戦のつづきはこのようになりました。
黒は三線をハワされているものの、もともと弱かったことを考慮すれば安定できたのはとても大きいです。
黒に楽されては白は不満です。
切りの対策も用意して、しっかりと相手の頭を叩きましょう。
*こちらの対局は、オンライン囲碁コミュニティ「かけつぎ」で打たれた一局でした。
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