囲碁が楽しくなる布石の打ち方
布石を打っている時に何を考えていますか?
どの辺りに陣地を作ろう、自分が得意な布石にしたい、定石をちゃんと手順通りに打てるだろうか。
石数も少なく自由に打ちやすい段階なので、たくさんのことが頭によぎると思います。
そんな布石で特に意識してほしいのは、「自分の一手に一貫性を持たせる」ということです。
自分なりに布石の目標を決めて、そこに向けて石を打っていくのです。
一貫性をもたせることで結果的に効率よく打つことができます。
自分の石たちがカチッと連携していくのを感じられ、囲碁がとても楽しくなります。
以下のテーマ図は、オンライン囲碁コミュニティ「かけつぎ」の対局会で打たれた7級同士の対局です。各手順を見ていきましょう。
(実戦:1〜34手目まで)
実戦の34手目まで打たれた局面です。
黒は右上、右下、左辺に確定地ができています。左辺は白22手目でプレッシャーをかけられましたが、堅実につないで黒は十分です。
対して白は確定地はあまりありませんが、左下に壁ができていたり、右辺にも発展性があることから、中央に向けた勢力(厚み)を築いた布石となりました。
ここまでを踏まえて白の打ち方に注目してみると、30手目の打ち込みが少し疑問でした。
(参考図1:30手目別案)
30手目では下辺にヒラくのがおすすめです。
左下の白は下辺側に影響力を持っています。そこからヒラキを打つことで、下辺全体に白地を作れそうです。
黒が入ってくることは心配不要。壁がいてくれるので戦いが起きても強気で対応できます。
もちろん実戦の打ち込みも部分的にはよく打たれる形ですが、やはり白は左下で築いた壁(厚み)を大切にしたい。
それを活かして陣地を大きくする方が、作戦に一貫性があると評価できるからです。
(参考図2:30手目別案2)
30手目の別案としては右下に肩ツキするのも考えられます。
黒がハイを選べば自然と下辺に白石が増え、下辺全体が連携しているのがわかります。
この場合だと右下の3子も連携してきます。
右辺にもう一手打つとさらに模様を広げられそうですね。
布石にはここが100点という場所はありません。
それよりも着手に一貫性を持たせ、全体の評価を100点に近づけようという考え方がポイントとなります。
反対に一貫性がないと石の連携はバラバラ。あっちもこっちもとなると、結局何も得られなくなってしまうのです。
自分が打ちたい布石はどのような状態なのかをまず決めて、そこに向けてのびのび打ちましょう。
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