そのツナギ必要ですか?
自分の石が斜めになっていると、つい不安になってしまいます。
そこを切られると戦いが始まり、複雑な展開になるため、とりあえずツナいでおこうと思う人は多いでしょう。
しかし実際に切られたものの、意外と大丈夫だったということはたくさんあります。
そういう場所をツナいでしまってはもったいないです。せっかく回ってきた手番を相手に渡してしまうわけですから。
斜めが不安だったとしても、その不安が本当に的中するのかはまた別物です。
しっかりと読んで確認しましょう。
テーマ図は17級と13級の方の3子局です。
(オンライン囲碁コミュニティ「かけつぎ」で打たれたもの)
(実戦図:60〜65手目まで)
右辺にて白が内側から陣地を作り、黒は外側に向けた壁を築きました。
やりとりの最後に白61、63とハネツギを打ち、黒が64とカケツギした局面です。
白はもう右下に手をかける必要はないため、先手を取って中央にまわりました。
ここを起点に中央の黒模様を消していこうという意図が読み取れますね。
右下での黒の対応は、一見するとしっかりした手順で打てているように見えますが、黒64は不急の守りでした。
そこを補強しなくても、黒はすでにツナがっている状態だったからです。
(参考図1)
ツナギが不要だったどうかは、実際に切られた図を作って考えます。
仮に黒1と中央を蓋して広大な黒模様を築き、白2とすぐに切られたとしましょう。
(参考図2)
これに対して黒は黒3からシチョウで取ることができました。
右下から左上にかけて長手数ではありますが、シチョウは一本道の読み筋です。
勝負どころと捉えて時間をかければ正解にたどり着けたでしょう。
(パソコンの画面を指でなぞってもいいですし)
切られても大丈夫なところをツナいでしまうと、一手パスしたのと同じくらいの損になります。
しかも今回は黒模様を広大にできるチャンスだったので、その損は数値では表せません。
斜めの石は心配になりますが、手拍子でツナいではもったいないです。
本当にツナぐ必要があるかを疑う習慣をもちましょう。
少しずつでも訓練しておくことで、石の効率はグッと良くなりますよ。
*こちらの対局は、オンライン囲碁コミュニティ「かけつぎ」で打たれた一局でした。
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