定石の手順には意味がある
定石の手順だけでなく、なぜそういう順番なのかまで知っておくと応用が効きます。
もちろん最初は手順を覚えるだけで十分ですが、何度か使っていくうちに、一手一手の意味も理解していきましょう。
今回は三々定石のうちの一つの形を題材にして、その手順の意味を紹介します。
「かけつぎ」で打たれた初段と二段の方の2子局を見ていきましょう。
(実戦図:白11手目まで進んだ局面)
黒4で右下三々に入りました。白11手目まで進んだ形は三々定石のように見えますが、本来の手順とは少し違います。
(参考図1)
実戦の黒6では黒1とノビる場面。その後で白8までが流れです。
実戦図との違いは、黒が3つ並んでいるところから一間空けて打っている点です。対して実戦は、黒4,8と2つの石しかない状況から一間空けている形です。
この1つが大きな違いです。
(実戦つづき)
実戦は白13,15と出切る手がとても有効になります。
白17とカカエた後、右下隅の黒は生きるためにはさらに手入れが必要です。がっちりと封鎖できた白はとても満足です。
(参考図2)
実戦の黒16で左側の白1子を取りにきたら、白2のアテ返しが成立します。
隅に入りにきた黒を取れたので、大きく得できています。
(参考図3)
もし定石通りの手順で打てていたなら、白からの出切りは成立しません。
アテ返されても攻め合いで黒が勝てるので、隅の地を確保できます。
並んでいる石が2つなのか3つなのかで、その後の狙いが変わってきます。
定石通りに打てばアテ返す狙いをなくすことができる。
それが今回の定石の手順に込められた意味と言えます。
記:井桁
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