相手の狙いを考えよう
囲碁では自分の狙いを考えながら、相手の狙いを邪魔する手が良い手になります。
そういう手を打ち続けられると効率がよくなり、結果として相手よりも優位に立てるのです。
今回は2つの狙いを同時に実現する例として、「かけつぎ」で打たれた14級と10級の方の3子局を紹介します。
(実戦図:白21手目まで進んだ局面)
実戦の21手目まで進んだところです。
21手目に肩ツキは、次に黒が放置すると、下辺に連打されて右下と左下側が分断されてしまいます。
しかしつながりを優先してしまうと、黒地が押し込まれると同時に、中央側に白の厚みが生まれてしまいます。黒としては自分の狙いは実現できたものの、相手の狙いも実現されてしまったと言えます。ここを邪魔できる良い対応はなかったでしょうか。
(実戦図つづき)
実戦は黒22と守って下辺でつながりました。
しかしその流れで31手目まで進んでみると、白の壁がとても大きいと評価できます。
対して黒地は三線の陣地なのであまり大きくありません。
(参考図1)
黒は肩ツキに対して黒1と押して反発する手が考えられました。
白がノビれば、その調子で右辺とつながらせないように間を割っていきます。白4は右辺への打ち込みを防ぐために必要な守りです。黒5からさらに分断できるので、実戦のように広大な模様は築かれずに済みました。
(参考図2)
もし白2で下辺に入ってこられても心配いりません。
黒3と頭を叩いてから5とハネることで、下辺でワタることができたのでした。白6に黒7でアタリにできるのです。
(参考図3)
白6で切られたとしても、その後しっかり対応できれば白が困っています。
黒13が形の急所で、白2子へのノゾキと、右辺への進出が見合いにさせることができました。
相手の狙いを考えるのは慣れるまで少し大変です。
実戦と検討を繰り返しながら、この感覚を磨いていきましょう。
コメント
この記事へのトラックバックはありません。
この記事へのコメントはありません。