打ち込まれる不安より、自陣拡大の期待を抱こう

打ち込まれる不安より、自陣拡大の期待を抱こう

これまで多くの級位者の囲碁を見てきました。
その中でよくあることとして、本来なら自陣をもっと広げるチャンスがあるのに、打ち込まれる不安を抱いたために、妥協した広げ方を選んでしまうということがあります。

相手に打ち込まれる不安があると、つい確実に陣地を作ろうと、狭く広げる手を優先してしまいます。
しかしそこで勇気を出せば、石数を増やしながら陣地を大きく広げられます。

相手もそういう陣地に入るのは不安に感じます。不安なのは自分だけではないのです。

今回はオンライン囲碁コミュニティ「かけつぎ」での9級同士の対局を題材にして、大きく広げるとはどういう展開なのかを紹介します。

まずはテーマ図を見ていきましょう。

(実戦図)

黒25手目まで打った場面です。右辺の黒地が大きくなりそうですが、今回は左下の白地に焦点を当てます。
白はどのように陣地を広げられるでしょうか。

(実戦つづき)

実戦は白26と二間ビラキを選びました。
黒25で詰めてきたタイミングなので、一見すると守りながら自陣を作れていそうです。

しかしこの局面ではすぐに守る必要はなく、左下一帯をさらに広げる且つ補強できました。

(参考図1)

左辺の黒の頭を叩く、いわゆる二目の頭が急所です。
この一手で左辺が急場になるため黒は2と抑えます。そこで白3の二段バネがさらに攻めを継続できる急所。黒4,白5と進むのが相場ですが、左辺側に白石が増えたことで、下辺の白地が膨らんだのが分かります。

またこれだけ石数が増えれば、左下全体が強いエリアとなるため、黒から打ち込みづらくなります。例えば実戦の白26と打った地点などには、黒は入ってきません。
こういった展開になれば白は広げた分だけ得できます。

自分の守りがよぎった場面なのは分かりますが、ここで勇気を出して左辺に先着するのが好手でした。

(参考図2)

ちなみに黒から2目の頭を叩かれると、黒が強くなるのはもちろんのこと、白地が平らな陣地になってしまいます。

その一手だけを見れば、頭を叩くのはスピードが遅そうで、実戦の白26の方が効率よく陣地ができそうにも思えます。

しかし頭を叩いた後の数手先の図を比べると、叩いた側の陣地が膨らむような展開に持ち込めるのがわかります。

相手に打ち込まれる不安があると、つい白26のような手を選んでしまいますが、それよりも自陣が拡大することへの期待を抱いて頭を叩いていきましょう。

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