この陣地の大きさは不満?〜石の距離に注目しよう〜

この陣地の大きさは不満?

今回の記事では、オンライン囲碁コミュニティ「かけつぎ」で打たれた8級の方同士の対局を題材に、ある陣地の大きさについて考えたいと思います。

(テーマ図1)

右下で白地ができています。どうやって作られたのかはこの後紹介しますが、黒番の方は右下に白地を作られたのを不満に感じていました。
「かけつぎ」で一緒に検討した際も、「右下に白地を作られないためにはどうすれば良かったですか」と最初に質問されました。

(テーマ図1の数手前)

白地はこの状況から出来上がりました。
この後で黒が3目の頭をハネ、白も抑えたあとに黒が二段バネしてノビあったのがテーマ図1となります。

そして右下の白地は、もともとがこの形だったのであれば、実戦の大きさを作られても黒はまったく不満ではないと評価できます。

理由は白がコリ形だからです。

(参考図1)

右下だけを切り抜くとこの状態ですが、これは白×が3つ並んでいる状態から、△に二間ビラキした状態と同じです。
囲碁では実際の手順は異なっても、「これはこういう手順で打った場合と同じ」という評価の仕方をします。

(参考図2)

二立三析という用語があります。
この白×のように、2つの石が立っているところからは、△がある三間ビラキまで開くと理想という意味です。

2つの石ですら三間ビラキが理想なのですから、参考図1のように3つの石が立っている場合には、四間ビラキ以上が理想の距離となります。

それを二間にさせているため、白同士の距離は狭くなっている。いわゆる「コリ形」になっていると評価できます。

コリ形からできあがる白地は、あまり大きくありません。
これが黒に不満はないと言える理由でした。

盤上の評価はなかなか難しいですが、目安がわかると不要にヤキモチを焼かずに済みます。
相手の陣地が大きそうに見えたら、今回のように石の距離に注目してみましょう。

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