囲碁に限りませんが、物事に集中しているときには、10の力のうちどのくらい使っていますか?
集中しているのだから、10の力をすべて使う!という方も多いでしょう。
しかし、物事に集中するということは、視野が狭くなっていることにつながる場合もあります。
目的はなんなのか?ということを常に頭の片隅に置いておく必要があるでしょう。
囲碁では、部分の戦いに熱中しすぎて後手を引いてしまい、相手に大場を占められてしまったり・・・。
上手と打っていると、打ちたいと思っていた場所をなぜかすべて打たれてしまった、という経験はあると思います。
私の場合、10の力のうち部分の戦いには7、他の大場には3の力をそれぞれ分けています。
読みに没頭する自分と、冷静に全体を見回している自分、と言い換えても良いでしょう。
例えば、今日の指導碁でこんな局面が出てきました。
模様対模様の碁で、白が黒模様に突入したところです。
↓
10手ほど進み、白が左上の一団をいったん中央に逃げだし、一息つきました。
白が先手を得て、右下のシマリに回ることができました。
白としては「左上の黒模様を荒らし」「右下の白模様を守る」ことを同時に成し遂げることができました。
黒は、左上の戦いに没頭しすぎてしまったようです。
本当は、どこかで左上の戦いを切り上げて、右下の白模様に突入し返したいところでした。
私の頭はこのようなイメージでした。
左上に打ち込み、戦いが始まることは当然ですが、常に頭の片隅には「どのように出し抜いて大場に向かうか」という意識があります。
目先のことだけにとらわれず、いつでも頭の片隅に「もう一人の自分」を住まわせて、大きな視点を忘れないように心がけましょう。
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