先日近くを散歩していたとき、だれもいない幼稚園の園内に
菜園区画があることに気がついた。
遠目にも植えてある野菜がなにかだいたいわかる。
素人ながら少しずつ経験値があがっている。
そのひとつ、ひらがなで「じゃがいも」と札がたっていて
そばに立派な苗が育っているのに目がとまった。
あ~っ、と小さなため息とも、叫びともとれない声が
自然に出た。
そこにもし「枝豆」が植えてあれば同じ反応だっただろう。
そう書くと、鋭敏な読者はもうピンとくるかもしれない。
あれは2月上旬のことだった。
「アンデスの栗じゃが」というニックネームと
黄色が見事な切り口に魅かれてホームセンターでつい手にとった。
栗じゃが。
いっぱつで心をもっていかれてしまう。
じゃがいものような栗、と言われてもちっとも響かないが
逆だとこんなに輝くのがおもしろい。
それから2週間、晴れた日は7個の種芋たちに毎日たっぷりの
陽ざしを浴びせた。植え付け前の「芽出し」という作業だ。
結局そのときは芽がでなかったが、そういうこともあると本で読み
安心してプランターに植えた。月がかわり3月になっていた。
用意したプランターはどれも70リットルを越えていて、
3つ並べると222リットル。もはやバスタブだ。
アマゾンから届いたとき、段ボールは見たことない大きさで、
無駄に大きい僕がすっぽり隠れられるほどだった。
「あなたそれにはいって外国いけるわね」
レバノンとは言わなかったが、つれがきれかかって
いるのはわかった。
こうなったら、極上の自家製ポテトチップをつくって
ぎゃふんと言わせてやる。
そう誓い、芋を腐らせないように細心の注意をくばりながら
50日待った。何も変化がおきなかった。
おかしいな。そろそろ「こんにちは」だろう。
GW前のある日、しびれをきらしてそっと掘りかえしてみた。
芽も根もまったく出ていないふにゃふにゃの芋が出てきた。
7個全滅である。
インカ目覚めず。
なんでだー。
呆然とするも理由はわからない。
だが、すぐさま新たなファイトが目覚めた。
いまあの3つの巨大プランターには、鹿児島から届いた
安納芋の苗が10本植わっている。
今度は大丈夫だ。
なぜなら…
最初から目覚めている。
さつまいもは、植え付けるのは種芋ではなく、「芽」だった。
記:根本
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