山登りに夢中になっていた20代の頃、「八ヶ岳という山はない」
と知ってびっくりした。
50歳になってから知った「菜の花という花はない」も同じぐらい
インパクトがあった。
ハクサイ、キャベツ、カブ、大根、とアブラナ科の野菜は多いが、
これらの花はぜんぶ「菜の花」だ。
野菜の花が咲きそうになることを「とう立ち」というが、主役の
実がまずくなり、葉が固くなるやっかいものだと思っていた。
だが目線をかえれば、「主役交代」にすぎない。
エネルギーが集中される「菜の花」は、本家以上に甘く柔らかく、
そしてうまい。
以前当欄では、巨大な白菜ひと球よりも、ひと球から採れる
菜の花のほうが高値で売られているという話をしたが、
覚えておられる読者もいるだろう。
さて今年も、黒キャベツ(カーボロネロ)から菜の花が採れる
季節となった。ほかの野菜は終盤にかけて徐々に質が下がり、
こちらの気分もフェードアウトするが、奴ら、アブラナ科軍団
だけは違う。最終盤で見事な盛り上がりを魅せる。
ちょうど今が旬のホタルイカと一緒にガーリックで炒めて、
パスタにあえたら、極上のペペロンチーノが出来た。
美味さが一週間たってもまだ記憶にひっかかったままだ。
記:根本
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