囲碁級位者でもできる検討のやり方
囲碁を上達しようと思ったら、対局後の検討(振り返り)が大切です。
実戦ではここに打ったけど、別の場所に打っていたらどうなっていたのか。
迷って選ばなかった手の効果を確認することで、今度同じような状況になった時、迷わずに済みます。
ただ実際、いざ検討してみようと思っても、やり方が分からないという方が多いのではないかと思います。
そこでこの記事を通じて、囲碁級位者でもできる検討のやり方を紹介します。
テーマを決めて対局に臨もう
自分ひとりでは、何が良い手で何が悪い手だったか分からないと思います。
こう打ったらどうだろうと思う展開を思いついても、「強い人はもっといい手を打つのではないか・・・。」と、仮説に自信をもちにくいですよね。
そういう場合は、対局する前に「この一局はこういうことを課題にして打つ」と、自分なりにテーマを決めることをおすすめします。
たとえばあなたが「相手を攻めること」を苦手に感じていたとします。
そしたら「この対局では、自分なりに3回は攻める」と決めて臨みましょう。
相手の石を切る、敵陣に打ち込む、相手の石の根拠を奪うなど、攻めに関する具体的な目標を掲げます。
そして対局が終わったら、事前に決めたテーマができたかどうかだけを振り返りましょう。
決めたとおりにできていれば、その対局はOKです。
もし打てなかったのなら、どのあたりで攻めるチャンスがあったかを考えてみてください。
そして次の対局では、攻める意識をより強くして臨みましょう。
テーマを決めることで、振り返るポイントを絞れるようになり、「どこを振り返ったらいいか分からない」という問題を解消できます。
自分の課題を分析し、それを基にテーマを1つ決めて打ちましょう。
手順を覚えられない時はアプリを活用しよう
検討するにあたり、そもそも自分が打った手を覚えられない方もいるでしょう。
そういう時は着手を記録できる囲碁アプリを活用しましょう。
スマホアプリ、パソコン用ソフトがあり、それぞれ以下のように無料・有料のものがあります。
【スマホアプリ】
・最強の囲碁(無料・有料)
・みんなの囲碁(無料)
・SmartGoKifu(有料)【パソコンアプリ】
・マルチ碁(無料)※Windows向け
・Gowrite(無料)※Mac向け
『みんなの囲碁』・『最強の囲碁』はコンピュータと対局できるアプリですが、対局設定を「対人戦」にすれば、自分で黒白すべての着手を入力できるようになります。
また棋譜をつける際には、「棋譜をつけながら打ってもいいですか?」と事前に確認すると親切です。
打つ度にスマホをさわっていると、相手の方も集中しづらくなる可能性がありますので。
AIは参考程度でOK
「検討では囲碁AIを使った方がいいですか?」という質問をよくいただくようになりました。
僕は「参考程度に軽く見る」と思った上で、AIが示す手を受け止められるなら、使ってみても良いと思います。
AIが示す手は、たしかに良い手です。
しかしAIの計算能力があってこそ打てるものであり、それを理解するのはプロ棋士でもたいへんです。
あまり重く受け止めず、自分が迷った局面があった時に、その候補手を見るくらいでいいでしょう。
教え合いのサイクルを回していこう
級位者のうちは検討することも大変かもしれませんが、工夫次第で自分なりのやり方を構築できます。
1・対局前にテーマを決めることで、振り返る際の目印をつくる
2・手順を覚えられない時は、アプリを活用する
3・囲碁AIは軽く受け止める
この3点を意識するだけでも、検討しやすくなると思います。
いろいろな方法を試しながら、疑問をすばやく解決していきましょう。
また周りに強い人がいる場合には、自分がつけた棋譜を見せてコメントをもらうのもいいと思います。
囲碁は誰もが初心者からスタートし、教え合いながら強くなっていくものですから。
そしてあなたが強くなったときには、自分よりも棋力の低い方にもぜひ教えてあげてください。
記:井桁健太(囲碁講師・アマ五段)
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