素人菜園帳(109)

向かいの家の5歳の男の子とは、時折「2人きりの時間」
を楽しんでいる。

幼稚園に送るお父さんが玄関から出てくる前、ほんの1分程度の
時間だ。いつも彼が先に元気よく飛び出してくる。

彼の背丈だとちょうどいい。素人菜園と道路を隔てる目隠し塀と
ブロックの間に隙間があいている。
こちらが朝の水やりをしているとそこからのぞいて元気よく

―おはようございます!何してんの?

以前こんなことがあった。

お父さんがなかなか出てこない。時間をもてあそばした彼はうちの
門の前でしゃがみこんだ。どうしたの?とたずねて門をあけると
こちらを見上げる目はとっても澄んでいた。

―あのね、うんちがくさいって言われちゃったの。

向かいの野菜オジサンであれ誰であれ、ともかく聞いてほしかった
のだろう。悲しい目ではない。朝食前の意外な告白に、こちらは
笑いを必死にこらえながらまじめに返した。

今朝、玉ねぎにかぶせておいた不織布をとり、枯れた葉を取り除いて
いたらまた声をかけられた。

―紫の野菜とれる?

えっムラサキのヤサイ…ってなんだ。
一瞬考えた。

ナスは作ってないな。紫のトマト(トスカーナバイオレット)
は採らせてあげたっけ。

―ばいばい!

お父さんが出てきたので彼は駆けていった。

あっそうか。赤玉ねぎのことか。

アーリーレッドは確かに赤ではなくムラサキだ。
去年の6月、ちょうどいま作業をしている場所で
彼に採らせてあげたことがあった。

場所と野菜がしっかり彼の記憶に刻まれている。

朝から小さなプレゼントをもらった気分になった。

記:根本

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