素人菜園帳(22)

若いときは何かをしてもらうのが嬉しくて、
歳をとると何かをしてあげるのが嬉しくなる。

どこかで聞いた。

素人菜園をつくる喜びは、もちろん獲りたてを自分で食べることだが、
誰かに食べてもらうのも、それと同じぐらい楽しくなってきた。

もうすぐ50歳。歳をとったということだろう。

先週久しぶりにつれが実家に帰り両親と会うというので、
獲りたての野菜をもっていってもらった。

茎ブロッコリー、ベビーキャロット、シシトウ、赤玉葱
にトゲいっぱいの花つききゅうり。ニンニクやミニトマト
も獲れたがそれらは次回のお楽しみにした。

―農園主は最近また腕をあげたな。

お父さんがつぶやいたそうだ。

―これちっとも辛くない。あっ、だんだん辛くなってきた…

お母さんは赤玉葱のサラダが美味しかったという。

スーパーでも見たことのない小さな玉ねぎを前に、
あらかわいいわね、と笑顔になってくれたらいい。
朝の味噌汁に丸ごといれて食べてほしい。

翌日、お父さんからショートメールがはいった。
「とりたて野菜の御礼」
お母さんが描いた絵が添付されていた。

手作りに手作りで返す。シニアらしい素敵なおかえしだ。
こころがぽっと温かくなった。

先月は、弟家族にビーツやルッコラ、赤茎ほうれん草を送った。

―兄貴のルッコラ、うちの子たちに大人気で
「明おじさんの野菜のほうが美味しい」って取りあって食べてたよ。

写真を見ると、9歳と7歳の姪っ子が元気いっぱい食べている。
鍋にはいっていたのはほうれん草のほうだったが、
喜んでもらえたなら何でもいい。

弟からは「バカ一代」という讃岐うどんが届いた。

さっそく、素人菜園でふだんあまり陽の目をみない
「九条ネギ」を、ここぞとばかりたっぷり収穫した。

あつあつ、しこしこのネギうどんをすする。
文字通りバカにうまい。

―こういうの、エビで鯛を釣る、っていうんだっけ。

何かをしてもらうのも、まだ十分嬉しいことに気がついた。

記:根本

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