ボーリングでストライクをとるには、
まずボールを真ん中のピンにあてないといけない。
あたりまえじゃないか、と声が聞こえそうだが、
これにはもう少し深い意味が隠れている。
どんなに回転がかかったプロ級のボールでも、
一番前のピンにかすらなければストライクはない。
だがそのピンにあたったからといって、
いつもストライクになるわけではない。
だから「センターピンを倒す」は、
ストライクの「必要で最低な条件」といえる。
これは教えるときにも気をつけたい視点だ。
たとえば、”伝える力”をもっとアップしたいと思う人に
どんなアドバイスが有効だろうか。
結論を先に言う。
声は大きく話は短く。
自慢はひかえる。
まずはこんなところがパッと頭に浮かぶ。
そこで自分に問いかけてほしい。
「それは伝える力の “センターピン”ですか?」
落語は話が長く、結論は最後で、声は時に小さい。
でも面白くて最後まで聞き入ってしまう。
タレントの明石家さんまは、自分のことをよく
「俺はビッグ3やで」と叫ぶ。周囲はきまって爆笑する。
わかるだろう。
3つはどれも、伝える力に「絶対必要」でも「最低必要」でもない。
僕らが教えるときのアドバイスは、
このようにセンターピンをはずしがちだ。
だが勘違いしないでほしい。
センターピンをはずすのがだめなのではない。
センターピンが「ほかにあるのを示さない」のがまずい。
そうでないと、「単なる技術の一つ」をセンターピンだと
聞き手が勘違いしてしまう。
話を短くすれば、結論を最初に言えば、
相手に伝わると思ってしまう。
では、伝える力のセンターピンは何だろう。
これがないと絶対に伝わらないが、
あればいつも伝わるわけではないもの。
一週間考えてみてほしい。
囲碁ファンの皆さんは、
「攻める」のセンターピンも考えてみてほしい。
攻めはケイマとよく言うが…。
「記:根本」
コメント
この記事へのトラックバックはありません。
この記事へのコメントはありません。