カカリの方向
相手の石にカカる時にどう打ったらよいか迷うことはありませんか。
一局打てば必ず出てくるカカリ。目安となる考え方を紹介します。
テーマ図は12級と8級の方の3子局です。
(オンライン囲碁コミュニティ「かけつぎ」で打たれたもの)
(実戦図:15手目まで)
白15手目で左下の星にカカリました。
普通の手に見えますが、この後のことも考慮すると、左辺からより下辺からカカった方が優っていました。
(参考図1)
定石通りおだやかに打つなら図1のようになります。
もちろん左下だけで評価すれば互いに不満ないですが、左上まで視野を広げてみると、白にとってスソアキになっていることがわかります。
(参考図2)
スソアキになっていることで、後から図2のように黒から削減する狙いがあります。(まだ△が残っている)
この狙いがあることで、白地は左辺ではあまり大きくまとまらないと評価できます。
かといってスソアキを解消するためにオサエたとしても、左上の黒はすでに生きています。
相手に響かせられず、守るだけの手になるため不満です。
(参考図3:15手目の別案)
下辺からカカった場合は図3のようになります。
同じ定石で打たれた後、先ほどと違って下辺の白地が減らされる姿は見えません。
もちろん後から手が生じる可能性はありますが、あくまで現時点で見えてないというのが良いのです。
また黒石を左辺に向かわせられているのも白にとって良い点です。
左上白の壁がすでにいるので、黒は左辺では大きな陣地を作れそうにありません。
つまり左辺はお互いにとってあまり大きなエリアではない。
まだ何もない下辺の方が発展性があって大きいと評価できます。
(参考図4)
実戦の15手目を打つ前は、カカリを打てる場所がA〜Dの4ヶ所ありました。
石が少ない辺には発展性があります。そのためこの状況なら、左辺よりも右辺や下辺の方が大場としての価値は大きく、この4ヶ所から選ぶ方がベターと言えます。
(どこにするかは作戦次第)
自分に手番が回ってきた時は、各辺の状況を比べてみてください。
しっかりと判断がつくと、大きな価値を手に入れられるでしょう。
*こちらの対局は、オンライン囲碁コミュニティ「かけつぎ」で打たれた一局でした。
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