世の中にはいろんな「さしすせそ」があります。
料理の「さしすせそ」が最も有名ですが、他にも男を喜ばせる相槌の「さしすせそ」なんてものもあります。
男女関係だけでなく、師弟関係でも厳しさだけでなく喜ばせる(=褒める)というのは大事なテクニックです。
指導碁やレッスンは、生徒さんの悪いところを指摘し、矯正するというのが一般的な内容と言えるでしょう。
しかし、その失敗を生徒さんが消化するにも心の準備が必要で、その準備とは「やる気」があることが必要不可欠です。
「やる気」は多くの場合、褒めることによって湧き出てくるものです。
つまり、アメ⇒ムチの順番が大事ということなので、今回はアメにフォーカスしたお話です。
囲碁の先生の立場で生徒さんをやる気にさせる「さしすせそ」をご紹介します。
さ・・・サバキが軽いですね
⇒攻めは得意でも、サバキが苦手という人は多いもの。
特に「軽い」という表現は囲碁の玄人のようでウケの良いので、使えるシーンではどんどん使いましょう。
し・・・シチョウが悪くて困りました。
⇒定石やウチコミの応対などで「シチョウが良い場合はこう打つ手法がある」というケースが多いです。
先生は、シチョウが悪いとわかっていても、わざとはまってみましょう。ここは褒めどころです。
す・・・捨て石にされて地合が足りません。
⇒自分の石は取られたくないと思うのが人情。
しかし、その気持ちをぐっと抑えて石を捨てて勝ちを目指すそのクレバーな姿勢を評価しましょう。
せ・・・先手をうまく取って大場に回りましたね。
⇒相手の石音の近くについていってしまいがち。
部分にこだわらず、我が道を行く精神を得たことは、上達の階段を登っていることに他なりません。
そ・・・ソバコウが多くてコウに勝てません。
⇒コウはどれだけ強くなってもめんどうで憂鬱です。
根気を出してコウを争い、うまくコウに勝てたときも褒めるポイントの1つです。
(損コウパターンもあり)
ある程度棋力が高くなれば、自分の良いところ、悪いところは自覚できてきますから、このあたりのテクニックはあまり使わなくてもよくなりますが、特に級位者では先生から褒められてやっと良いところを自覚できるところもあるので、先生は目を皿のようにして褒めるポイントを探しましょう。
記 村上深
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