素人菜園も3年目となり、家庭菜園で育てる野菜は
だいたい経験した。
そうすると出てくるものは何か。
鋭敏な読者はすぐにお気づきだろう。
油断である。
ある起きた事象を、自分の経験だけに基づいて都合よく解釈する。
慢心である。
今年は3度目のゴーヤを、はじめて地植えしてみた。
購入した苗が50cmほどになったところで先端を摘心した。
教科書どおりの作業を、教科書を開かずにさっとやる。
気分はもうベテラン菜園家である。
2週間後、下葉がどんどん大きくなった。
―さすが地植えだ。プランターで育てるよりも葉が大きい。
さらに10日たった。よく見ると下葉が上の葉と形が違う。
―やはりな。下葉は本葉と形が違うと相場は決まっている。
見るとどんどん葉が巨大化している。
―これがつるボケというやつか。うーむ。去年ビーツで経験したが、
多少ボケたとしても栄養がしっかり蓄えられればいいじゃないか。
勝手に納得させながら日が過ぎていく。植えてから1ヶ月半がすぎた。
見かねたつれが言った。
―やっぱりこれおかしいんじゃない?どんどん上までこの大きな葉が
きているし。それにこのサイト見て。
「ゴーヤの苗からカボチャが育つ、に注意」
―しまった!接ぎ木苗だったのを忘れてた。
接ぎ木苗は、2種類の苗のいいとこどりができる。
普通の種から育てた苗より高価だが、病害虫に強く実もよくなる。
そういえば苗の横に小さな紙が添えてあった。
「台木から脇芽が出てしまうことがあるのでご注意ください」
今頃気づいても遅い。
株元を見ると、ゴーヤとは明らかに違う、カボチャそっくりの茎が
出ていてその先に巨大な葉が展開していた。
―このまま育ててゴーヤのとなりにカボチャをならせてみようかな。
一瞬頭をよぎったが、サイトの解説によれば、
どっちつかずになるらしい。
接ぎ木苗をつかって「いいとこどり」をしようとしたら
「どっちつかず」になるところだった。
―そんなストーリーもわが素人菜園っぽくていいじゃないか。
反省の色なく、またもや勝手に自分を納得させようとしていた。
記:根本
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