素人菜園帳(59)

両手に花だからといって、にやけないようにしないと。
そう思ったわけではない。

―なかなかよく育ったじゃないか。

ちょっと上から目線の、完全な自己満足の瞬間である。

素人菜園で育てた野菜のなかで、時間がかかったものといえば、
ニンニク、玉ねぎ、ホースラディッシュがいずれも9ヶ月だった。

このロマネスコは苗を植えたのが昨年9月、収穫まで冬を越えて
半年もかかった。あのサツマイモでさえ5ヶ月かからなかった。

地上に見える部分を食べるものでは最長だ。
食べる部分、花蕾が見え始めるのはラスト1ヶ月で、
それまでの5ヶ月はテラスで見るたびに、

―お前、だれだっけ
―葉を食べようか、茎にしようか、あっまだだった

をくりかえした。ご満悦のときが訪れるのも無理はない。

カリフラワーとブロッコリーのかけあわせは「カリッコリー」
ともいうが、よりスマートな「ロマネスコ」を使う。
見かけ、呼びかけから入るタイプである。

収穫したてをよく見ると、昨年のとは少し様子がちがう。
前回はもっと、小さな花蕾がフジツボのように密集して
ゴツゴツしていた。今回は、隙間があって葡萄のように
ひとつずつ採れそうだ。

―まさか、育てた人に似たのでは…。

地肌が目立ってきた頭頂に思わず手をやる。

そんなはずはない。
別の種類のロマネスコだったことにしよう。

もうひとつ気がついた。
野菜はとにかく「土の量」が勝負だ。
その検証も兼ねて、同じ種類の違うサイズの鉢に植えてみた。
4つの苗のうち

3つを直径36cmの大きな12号鉢に、
残り1つを直径30cmの10号鉢に。さて結果は…

どちらも同じ大きさのものが採れた。
色も形も遜色ない。

土の量が関係ないということではなく、
ロマネスコには10号で十分だ、ということだろう。
10号を3つでもよかったが、12号でたくさんの大玉を目指した
自分に苦笑した。

知足。足るを知る。

禅の言葉をひくまでもなく、
とにかく大きいものをほしがる欲深き素人菜園家に、
また一つ課題が増えた。

記:根本

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