前回の記事からの続きです。
黒はアマ三段氏、私との四子局です。
左辺に黒△と構えた場面です。
白の私はAやBの打ち込みといった弱点を抱えています。
四子局のうわ手として、どのようにこの弱点をカバーすべきでしょうか。
実戦は白1と一間トビにしました。
この手の狙いは黒△の石を攻める「フリ」をすることで、
白の弱点から目を背けさせることにあります。
やはりあわてて黒1と逃げだしました。
白2~8と右辺の黒と連絡を妨げた「フリ」をして、
その実、Bの打ち込みをカバーしました。
しかし、黒は追われていると思っていますから、続けて黒9と逃げます。
残るAの打ち込みを守る頃合いでしょうか・・・?
いいえ、ここは白1とツケ、さらに下辺の黒に圧力をかける「フリ」をします。
黒の心はすでに下辺の一団にとらわれていますから、ここはガンガン稼ぎに行くことにしましょう。
アマ三段氏は「モタれ攻め」という考え方を知っていますから、その手には乗らないと下辺の黒を大事に連絡します。
これこそが「弱い石に意識を向けさせる」最大の利益で、白はその隙に左辺を突破しました。
左辺を突破され、間接的に上辺の白の援軍にもなってしまった状況ではAに打ち込む勇気は出せず、
黒6からほどほどに利かすにとどまりました。
ここまで50手ほどですが、四子局としてはすでにかなり差が縮まっています。
置き碁のうわ手は詐欺師みたいなものですから、相手の心理や意識をうまく誘導して無理を通しています。
相手の言っていることに「本当にそうなのか?」と疑いの目を向け続けることが、下手の真の置き碁対策と言えるでしょう。
記 村上深
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