きっかけを渡す

初心者の上達について。

始めたばかりの初心者は「上達したい」と強く思っているわけではありません。どんな楽しみ方やおもしろさがあるのかをまだ経験してないので、自分のペースでまずは慣れることを優先します。

そこから「上達したい」と思ってもらうためには、こちらからどんなきっかけを渡せるか考えなければいけません。

きっかけとして大きく役立つのは、「レベルがほんの少しだけ高い課題」を渡すこと。

課題を提示されれば、相手もどう解決できるか考えるようになります。漠然と始めた段階から、集中して向き合う対象が絞られる。課題解決できれば、自分ができることが増えたと実感します。

1つの成功体験は初心者にとって大きな自信につながり、「もっと上のレベルを知りたい」という気持ちを奮い起こします。

間違っても「レベルがかなり高い課題」をいきなり渡してはいけない。慣れもしないうちから失敗体験を望む人はいません。

「教える前に大事なこと」でも書いたように、相手をできるかぎり知り、興味をひくきっかけを渡す努力こそ、先生が怠ってはいけないことなのです。

 「記:井桁」

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