下呂温泉に4泊したあとは、名古屋の大学でデザインを教えている旧友と
杯をかわした。20年前、石音を創業する前後の数年間、一緒に戦った
仲間だ。短く濃い時間のあと長い空白をおいての再会は、盛り上がる。
勝手に「プリンの法則」と呼んでいる。
濃い時間がカラメルで空白の期間が黄身の部分。この比率が丁度いいと
混ぜて食べるとうまい。そんな宴だった。
昔の仲間は増えない。プリンの数も限られている。
旅の6日目、一目散に東京に戻るのは惜しい気がして、静岡に寄った。
訪れたことがなかった久能山東照宮は駅から3時間もあれば往復できた。
全国にいくつかある家康の墓の中で、ここが一番「本物」、つまり
彼が眠っている可能性が高いそうだ。囲碁を生業とするものとして、
囲碁の創業者ともいえる彼の前で手をあわせられたのはよかった。
翌朝、ホテルの朝食が6時半と早めだったので、7時半には車中の人
となった。朝陽に輝く富士を上り電車から眺めながらふと思った。
一週間におよぶ一人旅はいつ以来だろう。もしかして学生以来…。
朝9時に帰宅すると、驚いたつれはひとこと。
昨日泊まる必要あったの?
もっともな指摘ながら、言われるまで全く気づかなかった。
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