まずはここから考えよう
自分の陣地になりそうなところに相手が入ってきた時、みなさんは何を考えていますか。
守ることが先によぎった方は、いかにしてこれ以上入られないかを考えるでしょうか。
相手が入ってきた時の定石を思い出そうとする方もいるかもしれませんね。
この記事を読まれた方におすすめの方法があります。
相手が入ってきた時は、ぜひ相手の根拠を奪うことを考えてみてください。
根拠を奪うことで簡単に陣地を作らせずに済むだけでなく、その後も攻めながら得を図れる可能性が高くなります。
以下のテーマ図は3級と5級の方の2子局です。
(実戦図:1〜35手目まで)
左辺から左下にかけてできそうな黒地に、白が35手目で入ってきました。
黒は34手目で隅に一手かけて補強しているので、ここで楽をさせてはいけません。
どのような反撃を考えますか。
(実戦のつづき:36〜47手目まで)
黒は36とハサミを選びました。
対して白は隅への二段バネを活用し、先手で切りあげて47と右下に先着できました。
もともと石数が多かったにも関わらず、楽に生きられては黒が不満です。
さらに白に先手も取られているため、他の対応がなかったか大いに考えたいところ。
(参考図1:36手目別案)
相手が狭いところに入ってきた時は、ぜひ相手の根拠を奪うことを考えましょう。今回はコスミツケが例となります。
コスミツケに対しては白2が通常の対応ですが、黒3とハサんで追撃します。
このハサミは実戦で打った場所と同じですが、その前に根拠を奪うひと工夫をすることで、威力が大きく変わることがわかりますね。
(参考図2:36手目別案2)
根拠を奪う手としては、コスミツケ以外に鉄柱も考えられそうです。
白2と二間ビラキのあとで黒3とケイマでプレッシャーをかけます。
白8あたりでこれ以上の攻めが効きづらくなるので、ここで切り上げて黒9あたりに先着します。
左下の戦いを起点にしながら、左辺と下辺が連動して大きな黒模様を描けるようになりました。
攻めの効果があったと十分に評価できるでしょう。
(参考図3:35手目別案)
実戦の白35手目はやや入り過ぎだったかもしれません。
白1のように肩ツキで模様を消すくらいが相場と思っておきましょう。
*こちらの対局は、オンライン囲碁コミュニティ「かけつぎ」で打たれた一局でした。
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