高段者になるには
棋力の捉え方は色々あるかもしれませんが、一般的にはアマチュア五段から高段者というカテゴリに入ると思います。
また初、二段を低段者。三、四段を有段者(中段者とはいわないですね)としている人が多いと思います。
僕は大学で囲碁にのめり込み、卒業する時にはアマ四段くらいの棋力になっていました。
大学ではじめて四段になったことを伝えると、「けっこうがんばったんですねぇ。」と上手から言われることが多かったです。
しかしここから先、高段者の仲間入りするにはどうすればいいのか。
営業職としてメーカーで働いていた頃、自宅から近い碁会所の高段者と対局したり、仕事から帰宅してからは棋譜並べをして勉強したりと色々とやっていたのですが、なかなかあと一つのステップを上がれませんでした。
下手(したて)に教える機会はありますか?
ちょうどその頃「囲碁を打つ若者を増やしたい」という理由から、初心者向けイベントを開催するようになりました。
出勤前の時間をつかって、カフェで囲碁を楽しむ「朝囲碁」というイベントや、
また土日の時間も使ってイベントを開催するなど、自分よりも実力が下の人と接する時間が増えました。
結果的にはこういった活動が高段者になるきっかけになりました。
対局の後には、ワンポイントだけでも検討をします。
「ここで守っておけば崩れなかったんですよ。」
「ここはこう打っていましたが、実はこういう技(手筋)があるんです。」
と軽くでも振り返ることで、イベント参加者の理解が深まります。
そして言葉で伝えようとすると、自分にとっても良いことがありました。
しっかり伝えようとすると、頭の中で漠然と理解していた様々なことがつながってくるのです。
相手の方に「この手はこういう意味があるんですよ。」と口で説明しながら、頭の中では「なるほど、そういうことだったんだ!」と同時に思えてしまうような感覚になれていたんです(笑)
声に出してハッと気づく体験をした方も多いと思います。
まさにそれを囲碁で体感したことが、有段者から高段者への上達につながりました。
もちろんこれはその時々で重要度が変わると思います。
当時の僕の場合は上述の通り、自分より強い人と打つ機会は多かったのと、棋譜並べでプロの感覚を知るなど、上を向いた勉強が多かった。
だからこそ下手と打つ機会が盲点のように少なかったんです。
もしこれを読まれて
「下手と打つ機会は自分もあまりないなぁ」と思った方は、意識して取り入れてみると新しい気づきがあるかもしれません。
記:井桁
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