最初の夏休み(6)

2日目は天安門広場の観光のあと、中国棋院で早速対局だ。
まず1局目は、日中アマ親善交流として中国のアマチュアの方が相手だった。

碁石は日本のものを横でスパっと半分に切った形をしている。
表と裏があって片面は楕円ではなく平らなので座りがいい。
打つとパシっと音がする。
当初、半分の材料で済むのでこうした形になっていると思ったが違うようだ。
局後の検討のとき、実際に打った石と想定図の石をそれぞれ表と裏で
区別しておけば、さっと元に戻せる。合理的な考えだ。

手、つまり着手で会話する意味から囲碁のことを「手談」というが、
その言葉どおり言葉が通じなくても対局はなんとかなった。
僕の相手はとても強く、僕はいいところなく負けてしまったが、
局後の検討では丁寧に教えてもらい楽しいひとときだった。

2局目は、中国のプロに指導碁を打ってもらった。指導する棋士は皆中国の
トップ棋士で、このツアーを歓迎する気持ちが伝わってくる。
僕は華以剛八段と3子、鈴木さんは有名な馬暁春九段と5子で2人とも
勝てなかった。日本語が話せる中国棋院の棋士が局後の検討に参加して
くれたおかげで、盤上でも中身の濃い時間を過ごすことができた。

夕方、いったん宿に戻る。予定表では夕食は中華料理の名店なのだが、
今夜は会社の中国総局のメンバーと鈴木さんが会う約束をしていて
僕もツアーとは別行動になった。

2人でホテルのロビーで待っていると玄関前に黒のベンツが2台停まって
中から人が降りてきた。同じアジア系の顔ながら一目で日本人とわかる。

「やぁ千葉さん、久しぶりじゃのう」

急に顔をほころばせた鈴木さんが大きな声で話しかけた。
中国代表の千葉常務だ。ほかにも2人いる。

「鈴木さんお元気そうですね。お久しぶりです」

簡単な挨拶をしている間、僕は鈴木さんのすぐ横で待っていた。

「ところでMR.NEMOTOはどちらです?」

自己紹介のタイミングをはかっていてずっこけた。
まさか顧問の鈴木さんがこんな若者と一緒に来るとは
思ってもみなかったのだろう。
僕はツアーの世話係だと思われていた。

記:根本

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