素人菜園帳(35)

囲碁を知らない人が読者にどれぐらいいるかはわからない。
その人たちがうらやましくて仕方がない。

いつか囲碁にふれたとき、だんだんその魅力にはまりながら
少しずつ上達していくだろう。その瞬間が何にもまして楽しい。
大きな喜びがおしよせる。

僕はもうその道を何十年も前に通ってしまった。
二度と味わえない。
リンゴでいえばジューシで甘い部分はとっくに食べつくして
残りは芯だけだ。

面白い漫画も本も映画も、一度読んだり見たりすれば、
知らない自分には戻れない。だから「はじめて」を大事にしたい。

さて秋の足音が大きくなってきた。
素人菜園も2年目の後半にはいり、秋冬野菜の種まきも終わった。

当欄で紹介してきた野菜や果物は、ほとんど今年はじめて育てたものだ。
ビーツやそら豆、ニンニクにたまねぎ、そしてキワーノやマクワウリ。

はじめて育てるときは性格上、どう転んでも損がない。

育てる途中のワクワク感、うまく収穫したときの喜びはもちろん、
失敗もエンターテイメントだ。話のネタにもなる。

この春、インカの目覚めというじゃがいもを、知識満タン、準備万端で
育てた結果、ぜんぶ目覚めなかった話は書いた気がする。

何にしても楽しい。

だが野菜や果物の種類は限られている。
これから50年は楽しむつもり素人菜園で、「はじめて」の経験がひとつ、
またひとつと減っていく。

山くらげの材料になる「茎レタス」。
キャベツとカブの中間、「コールラビ」。
結球しない黒キャベツ、「カーボロネロ」。
茎ブロッコリーの親にあたる中国野菜の「カイラン」。
芯だけでなく皮も真赤の「紅くるり大根」。
青汁のもと、「ケール」。
そして「ミニ白菜」や「ミニカリフラワー」。

春につづいて秋も「新作」が10種類ほど並んだ。
まずい。東京の一般家庭で育てられる野菜や果物が全部で200種類
あるとしても、このペースでは10年で枯渇してしまう。

知らない自分に戻れない。

たしかにそうかもしれないが、そうなったときはきっと、
僕は、新たな楽しみを見つけるだろう。

記:根本

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