言葉は面白い。
果物だよと言われたら、そうかもなと思えても、
フルーツだよと言われたら、そりゃ違うなぁとなる。
我が家に幼木で植えられて3年目となる柚子である。
皆さんの感覚ではどうだろうか。
柚子が柑橘系なのはアゲハの幼虫が好むことからもわかるが、
丸かじりすることがないものをフルーツというのは少しひっかかる。
その点、金柑はフルーツだ。
調べると、分類上は果物だが市場では野菜と扱われているようだ。
そして我が家のは柚子(本柚子)、ではなく花柚子(ハナユ)だった。
本柚子だと実がなるまで20年近くかかるらしい。花柚子はこぶりだが
すぐ実がついて果汁はたっぷり。素人菜園向きだ。
昨年はほとんど落果して2個しか採れなかったが、今年は20個ほどが
生き残った。少しずつ体力に応じて育っていくのを見るのは楽しい。
この花柚子、壁際に植えてしまったため、誰に似たのか、
すぐに大きくなって隣の家にはみだしてしまう。
いつもすみません~といいながら、昨日採れたてを2つ渡したら、
あら、初物だわ、と喜んでもらえた。
料理上手なシニア女性はみな柚子が好きだ。
夏に葉につくアゲハの幼虫は、見つけたら向かいの小学生の女の子に
渡すことにしている。捕殺するより、大事に育ててもらえる人に
渡すほうが気分がいい。留守のときは、イチゴのパックに葉と幼虫を
いれてラップしてメモを貼りドアの前に置いておく。
一週間もたてばサナギになり、そして綺麗な蝶になる。
彼女はきっと目を輝かして虫かごをのぞきこんでいるだろう。
えさの葉が足りなくなったときは、この「はみだしもの」が役にたつ。
勝手に外から手をのばしてえさを補充をしてください、
とお父さんには伝えてある。
さてうちでは残りの10個ほど、
冬至の夜には鍋に、お風呂に活躍してもらおう。
野菜と違って庭木は家と一緒に歳を重ねていく。
その意味で完全に果物な花柚子。
だんだん存在感を増していくはずだ。
壁の中でも外でも。
記:根本
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