私見ですが、私は棋譜並べはアマ三段以上になってからが勉強として効果的になるやり方だと思っています。
囲碁は盤面全体を見て最適な着手を決めるべきですが、現実的にはそれは非常に難しいです。
特定の部分的な石の形において通じる「手筋」や互角とされている「定石」というのは、盤全体で見ると9分の1程度か、せいぜい4分の1。
これらの「手筋」「定石」の組み合わせ次第で、盤面全体の評価、形勢が変わるのが囲碁の特徴です。
アマ三段くらいまでは、いろんなケースの「手筋」「定石」などを知識として蓄積すべき段階と捉えています。
1つ1つの「手筋」「定石」はそれぞれ武器のようなものです。剣、刀、槍、弓矢・・・。
1つの武器に習熟することはとても大事ですが、強くなるにつれて様々な武器にも精通し、必要に応じて手に取る武器を変える必要がある。
極論を言えば、部分最適がきちんと行われて(定石/手筋といったセオリー通りの着手)いれば、全体最適でなくとも(局面にマッチしていなくても)大きな失点はありません。
しかし、ある場面で(例えば、自分の星にコゲイマでカカられた)全体にマッチしたより良い定石選択(受けるのか、ハサむのか)をしたい、とも思いますよね。
そこで、棋譜並べです。
あなたなりにいろんな知識を得て、いくつかの武器を持ったと思えたら棋譜並べをしましょう。
どのような局面の時に、どういう判断でその定石を選択したのか、ということを解釈することが上達につながります。
棋譜並べをする、ということはその評価を自分に取り入れ、アップロードするために他ならないのです。
プロの感想戦(検討)でもっぱらやり取りされてきたのが「この局面でどう感じたか」ということです。
最近だと、囲碁AIを活用して評価をアップデートしているAI世代の若手棋士も多いですね。
いろんなやり方がありますが、自分がどう感じるか、ということを考えるようになると、囲碁はもっと楽しくなると思います。
記 村上深
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