素人菜園帳(30)

―こいつは売ってるのより美味いな~。

素人菜園でつくったものを食べるとき、
自分の口からよくこの台詞が出る。

種や苗から育てたものなので思い入れもある。
くわえて生産者は「自分に甘い」傾向もある。

市販の野菜と同じぐらいか、少し負けてるぐらいのものが
採れたときでも、「売ってるのより美味い」となる。

ここは生産者以外の感想を参考にしよう。

―あらっこれはスーパーのより美味しい!

この台詞が出たのは梅雨入り前、そう、「そら豆」を
採りたてで焼いて食べたときだった。

食べたときに感じるエグミが少し苦手だというつれが、
一口食べてみるみるテンションがあがった。

当欄の読者はもうご存じだと思うが、素人菜園の営みは、
同居人との戦いでもある。

毎日届く土、肥料、苗、そしてプランター。
午前中だけで5便きた日もある。僕は元々自宅自営だが、
彼女もテレワークになってしまったので、30分おきに呼び鈴がなるのを
目の当たり(というか耳の当たり)にすることになった。

きれかかる気持ちもわかる。

あっという間に自分のエリア(3F、書斎前)のテラスを
野菜プランターで埋め尽くしたため、10鉢ほどあった果樹を
全部2Fのバルコニーにもっていったのも評判が悪かった。
よく考えると2Fは洗濯ものや布団を干すという役目もあった。

きれかかる気持ちもわかる。

そのポイントカードを回復させる大事な役目を背負うのが、
時折出るヒット作、そら豆だった。

今回ひさしぶりに新作が加わった。
例のひとつだけ採れた「栗坊」(ミニカボチャ)だ。

シンプルにいえば、ほくほく甘かった。

ただの甘いじゃなく、ただのほくほくじゃない。
胡麻油と塩でナムルにした栗坊を口にした瞬間、
食感と食味がセットになっておしよせてきた。

―やっぱりつくる人の腕がいいんだわ。

一瞬こちらが褒められたのかと勘違いしたが、
そんな甘い世界ではない。

料理も野菜も「つくる」ものだからややこしい。
表情をうかがうと自画自賛しながら満足げだった。

初収穫のモロヘイヤは雑魚とあえてお浸しに、
累計130本を超えた大漁のミョウガは甘酢漬けになって
3つなかよく食卓にならんだ。

×が並んでピンチだったポイントカードが更新されて
まっさらになった瞬間だった。

記:根本

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