誕生日が近くなるとふと昔を思い出すものだ。
あるときから食卓によくメロンが出るようになったのを
覚えている。果物好きな僕は嬉しかったのだろう。
小学校低学年だった。
あのころメロンといえば高級品で、マスクメロンしかなかった。
映画「男はつらいよ」の第15作、シリーズ屈指の名場面「メロン騒動」
をみるとめったに口にできないものだったのがわかる。
メロン騒動
https://www.youtube.com/watch?v=-WC2qNYV1AE
それがプリンスメロンの登場で一気に馴染みのある
果物になった。
あれから40年、期せずしてその「親」をつくったことに
気がついた。
―なにこれ、中途半端なメロン?
一口食べたつれの第一声は的を射ていた。
高級マスクメロンとマクワウリをかけあわせて
大衆の味方、プリンスメロンが誕生した。
マクワウリは「元祖メロン」なのだ。
―そうそう、昔はぜんぶこれだったのよ。
マクワウリを見たシニアはみな懐かしそうに目を細める。
―もっと甘かった気がするな。いや、あの頃はほかに
甘いものがなかっただけか。
そうかもしれない。
今は何でもかんでも「甘さ至上主義」だ。
果物だけでなくトマトをはじめ野菜も糖度を競う。
つれの感想ではないが、甘さに対する感動が
うすれるのも無理はない。
もう一度、冷やしたマクワウリを食べてみる。
―うん、この甘さ控えめなところがいいな。
シニアの懐かしさに共感できる経験はないが、
甘すぎないところが美味しいと感じる歳になった。
もうすぐ50歳。
甘さをおさえて人生の後半戦を楽しもう。
記:根本
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