大学の授業で囲碁を教えている、ということをご存知の方もいるかと思います。
授業名で多いのは「思考力」とか「ロジカルシンキング」といった表現なのですが、このあたりはちょっと漠然としていますね。
私はあえて「酷薄さ」と表現しましょう。
まず、囲碁では石の1つ1つに個性がありません。
天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らず。石もまた。
盤上に置かれた時は平等だとしても、その後の振る舞いで要石になったり、カス石になったりします。
大局観という表現の中に「酷薄さ」は含まれています。
つまり、カス石を捨てる。
価値のないと思われるものを捨てる。
囲碁で石を捨てるのにも勇気がいるのですから、人の世で人を捨てるのは、それはそれは勇気がいることでしょう。
でも、古くは戦国武将がたしなみ、現代でも政治家や経営者がたしなむ人が多い、というのは
ひょっとするとこの「酷薄さ」が全体最適を目指すうえで必要な資質だから、なのかも。
世知辛い話だけど、現実はツラくキビしいのよねぇ~。
記 村上深
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