もっとボケよう(7)

年末が近づいてきた。

何年か前の紅白を実家の掘り炬燵で見ていたときのことだ。
台所の片づけを終えた母がやってきて隣でミカンを食べ始めた。

「最近、大勢のグループが増えてわけわかんなくなっちゃったわ」

画面にはAKBが映っていた。
シニアは1人、多くても2人か3人までの歌い手が好みのようだ。
続いてエグザイルが登場した。

「あら、このエグザイルにAKIRAっているでしょ。
うちの浩(弟)に似てると思わない?」

―(ずこっ) いまわけわかんないって言ったばかりでしょ…。

「そうそう、あとHIROSHIもいるでしょ。だけどHIROSHIは
明(僕)には似てないのね。ややこしいわ、ほんと」

―(結構くわしいじゃん) ややこしくないでしょ。
それにHIROSHIじゃなくてHIROでしょ。

母はそのあとも僕のつっこみを無視してつぶやき続けた。

3年前に両親をつれて伊豆の温泉宿に行ったときのことだ。
チェックインしたあとラウンジでくつろいでいた。

「伊豆にはよく来るんだ。囲碁合宿とかでね。食事は夕食も
バイキングだったな」

僕が何気なくいったことばに父が反応した。
半分ほど飲み干した生ビールのグラスを右手に持っている。

「私はあのバイキングとか食べ放題とかいうのは嫌いです。
なんかいやしい感じがしませんか。少しでも元をとってやろうという」

つれもいるからか丁寧語だが、相変わらず極端な意見だ。

「いや、そうかな。今は食べ放題というより、好きなものが
選べるっていうニュアンスが強いけど。高級旅館でも朝食は
ビュッフェ形式が多いよ」

父は僕の返しには答えず続けた。

「ところで明、ここは何杯飲んでもいいのかい。
それじゃビール、もう一杯だけもらおうかな」

隣でつれが爆笑している。

「自分のことを棚にあげる」

僕の棚がいつも斜めになっている原因を見つけたようだ。

記:根本

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