行き当たりばっかし(11)

市井の人、という言い方がある。
昔中国で井戸のそばには市ができた、ということから、庶民の意味となった。

今から120年もここで井戸端会議が行われていたことだろう。
この井戸のすぐそばで7年間暮らした文豪、島崎藤村は、毎日早朝にここで
顔を洗うのが日課だったという。冬子夫人もここで洗濯や水汲みをしながら
近所の人との交流を深めた。

小説家への転身をめざして初の長編小説「破戒」の執筆に燃えていた藤村は、
ここでどんな未来を夢想したのだろう。

建物はすぐ古くなり、主がいなくなるとそれは生活の匂いもなくなり、やがて
記念館となる。だが井戸は自然とつながる連結器だからか、
不思議と古さを感じない。今も清らかな水を汲みだせそうだ。

そして、散歩からもどってきて手を洗う藤村がとなりに立っている、
そんな気もするのだ。

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