石を捨てる時のチェックポイント
自分の石が取られることは部分的に損ですが、その石を守ることが常に最善かというと、けっしてそうではありません。
むしろ潔く捨ててしまった方が良いことがしばしばあります。
当記事では、石を捨てる際の判断の目安を紹介します。
具体例として、「かけつぎ」で打たれた1級と二段の方の2子局を紹介します。
(実戦図)
まず捨ててはいけない石は、「それが取られると相手の石が強くなる石」です。囲碁用語で言えば、要石(種石)のことです。
反対に取られても相手の強弱が変わらないなら、捨てても問題ありません。
「石の強弱」は次の作戦を考える上でとても大切です。
弱い石が強くなるように打てると、効率が良いと評価できます。
そのため石をうまく捨てるには、「石の強弱」をもとにした判断がポイント。
実戦図は左上で三々定石が出現し、白13と打たれた場面。
黒の石が取られそうですが、ここでは捨てることが大切です。
なぜなら白石はすでにつながっている強い石だからです。
(実戦続き)
実戦は黒は14と逃げ出しました。
しかし捨てても良い石を逃げてしまうと、手をかけた分だけ損が拡大してしまいます。
実戦も白からの押しが響いてしまい、あっという間に勢力を築かれてしまいました。
対して上辺の黒地は大きくありません。三線の陣地ですし、左上からサルスベリ等で減らさられる可能性も残っています。
こういう時はさっさと捨てましょう。上辺にヒラくならこれくらいの距離でしょうか。
もし白が1子取りにきたとしても、たった数目の陣地ができるだけです。
また上辺の黒に響いていませんので、黒3など別の大場に先行できるでしょう。(白が取りにくることはないでしょうが)
捨石は部分的に損することが目に見えているので、つい迷ってしまうと思います。しかし実際に捨ててみたら、意外と大きくなかったと発見できるでしょう。
石を捨てる判断がうまくできない方は、まずは相手の強弱を確認することから始めてみましょう。
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