囲碁で攻めるという表現がありますね。
直接的には、相手を包囲して取ってしまうことが一番わかりやすいのですが、相手も取られないように振る舞いますから簡単ではありません。
包囲せん滅が難しいとなれば、次に言われるのが攻めの方向です。
いわく、弱い石を補強するように。
いわく、地を囲うように。
これはそのとおりですが、よりイメージしやすくするために「水」で例えてみましょう。
発想は治水。
護岸工事をし、自分の都合の良いように水の流れをコントロールし、住宅地(=地)を守るのです。
私の指導碁の1シーン、黒の方は8級くらいの方です。
白1と下辺に打ち込んだところで、黒はどのような構想をとるか。
この白1を包囲できれば言うことはありませんが、上がスカスカしていてちょっと無理そうです。
実戦は黒1、3と石が下に行きました。
もともと下辺は黒地かなぁ、と思っていたところを白に打ち込まれたので、なんとかして守り抜きたい気持ちが伝わります。
しかし、打ち込みで下辺の地はある程度目減りすることは確実ですから、そこを少しでも残したい、という発想はジリ貧のもとです。
黒1、3、5と一間トビやケイマを駆使して壁を作ります。
それも、できる限り壁を外に向ける努力をします。
すると、自然と左中央に黒地ができてきます。
もし、この白石が左側へ流れると、住宅地に浸水することと同じで困ってしまいます。
いかがですか。
壁を作って地を守る。
相手の石は、壁に遮られればそれに沿って流れざるを得ません。
自分なりのイメージを持つことは必ず有用ですよ。
記 村上深
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