1枚の家族写真がある。全部で8人だ。
右端にいるのはお父さんだろうか。背が高く体格がいい。
その左には7人の子供が並んでいる。
誰が弟で誰がお兄さんかはわからない。
2年前、ノリで注文した果樹の苗があった。
その名はイエローストロベリーグァバ。
グァバはその昔、祖父の家でよくジュースを飲んだ。
だがこれはグァバの名はついているものの
同属異種だそうだ。
50cmほどのひょろ長い苗が届いたとき、実がなるのは
だいぶ先だなと思った。
しかしその年の秋、20個ほどピンポン玉サイズの黄色い実が
とれた。食べてみてその甘さ、美味しさに驚いた。
たしかにイチゴのような風味が口に残る。
黄色でイチゴ味のグァバ、わかりやすい名前をつけたものだ。
皮ごと、種ごと食べられるが、種を全部飲みこまず、10粒ほど
口から取り出して、試しに濡れたティッシュペーパーの上に置いた。
まぁ無理だろうな、とあきらめた頃、2週間あとに芽が出た。
それから1年半、見事に大きくなったのがこの7人の子供たちだ。
先週末、ワクチン接種を終えた妹が米国から一時帰国しているのに
あわせて実家に家族が集まった。実家は建てて間もなく30年たつが、
庭の木は何本か伐採してあって南側に少し空間があった。
小学2年生の姪っ子と一緒に、種から大きくなった1株を植えた。
植樹のあとはさっそく背比べ。
1歳半の若苗の背丈は、彼女のおへそより少し上ぐらいだった。
今度ここに集まるときはどれぐらい大きくなっているかな。
いや、待てよ。
彼女も育ちざかりだから、一緒に大きくなったらわからないな。
これ以上育たない予定の素人菜園家を基準にすればよかった。
1枚の家族写真がある。全部で8人だ。
世代も歳もバラバラなのはすぐわかる。
ランチの時に妹が撮ってくれた。
こちらは親父が真ん中に座っていた。
久しぶりに食卓が賑やかだからだろう。
表情がやわらかかった。
記:根本
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