どんなものでも適量っていうものがあって、
度を超すと薬にもならないわよ。
遠い昔、よく母におこられた。
あれ食べなさい、これ食べなさい、と言われると反抗して
あれとかこればかり食べたからだ。
採れたてのミョウガを薬味に、素麺をつるっといったとき
ミョウガだらけのつけ汁を見て思い出した。
これは薬味の域を超えている。
ミョウガの麺つゆづけだ。
―どこまでが薬味なんだろう。
―なんで「薬」なんだろう。
3年前、長瀞でふらっと立ち寄った蕎麦屋で出てきた蕎麦、
じゃなくて薬味がいまだに忘れられない。
胡桃やおろしなど3種のそばに添えられていたのが
醤油皿に輪切りの小ネギが2、3切れ。
あれ、少ないなーと思ったら、これで2人分とわかってコケた。
名物の蕎麦の味はまったく覚えていない。
―神は細部に宿る
なんて大げさな言葉が浮かんだが、1650円のちょっと高めの
蕎麦なので余計にびっくりした。
意識してなかったが、僕は薬味好きのようだ。
素人菜園ではいま、ミョウガのほか、大葉、九条ネギ、ショウガ、
柚子、山椒たちが鎮座している。西洋わさび(ホースラディッシュ)も
直射日光をさけて壁際に4株、大きな葉をつけている。
俺が主役だ!と強くアピールはしないが、
いないと寂しい気持ちになる。
いれば確実に周囲を幸せにする。
―薬味な人生。いいかもな…
葉っぱが似ているミョウガとショウガを見て思った。
漢方では、薬に薬効や味を加える補助の薬のことを「加薬味」
というらしい。かやくご飯の「加薬」もそうだが、
薬味もそこからきている。
つまり薬だ。
あの蕎麦屋の、ちっちゃな薬味が忘れられない
自分につける薬はどれだろう。
記:根本
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