素人菜園帳(62)

素人菜園でも卒業シーズンとなった。

植えてある野菜をすべて収穫して、残った茎葉や根を片づける。
地面をならし堆肥をいれて次に植えるための畝をたてる。

カーボロネロ(黒キャベツ)が終了した。
3ヶ月前と比べるとずいぶん背が伸びたものだ。

素人菜園帳48 http://jotatsu-promise.com/saien_48/

前回紹介した白菜と同じく、カーボロネロのとう立ち菜も
お浸しで美味しく頂いた。

アブラナ科野菜のとう立ち菜は本体に負けずうまい、
という発見は、手もとのどの指南書にも書いてなかったが、
育てたご褒美ということだろう。

卒業式といえば思い出がよみがえるものだ。

向かいには4歳の男の子と小学1年の女の子が住む家がある。
先日、家族4人揃って家の前に集まっていたので声をかけた。
男の子がお姉さんから自転車の引き継ぎを受けていた。

―黒キャベツ、採りませんか。間もなく終わらせるので。
―えっ何ですかそれ、いいんですか?

お父さんが反応するより早く、
男の子がさっと自転車をおりて走ってはいってきた。

―これ、好きなだけ採っていいよ。

カーボロネロを指さして声をかけると、いいの?と
お母さんのほうをみて確認する。
お母さんは手前の芽キャベツを物珍しそうに見ている。
そのとき、

―あっだめ、あら、あ~あ。

彼女の慌てた声が響いた。
男の子は自分の背丈ぐらいのカーボロネロを、茎ごと
よっこらしょと引っこ抜いていた。

思わず笑ってしまう。そりゃそうだ。
どうやって採るかを教えてあげなかった。

―大丈夫、大丈夫。もう終わらせるところなので。
―ほんとすみません。

お母さんがしゃがんで植えなおした。
思わぬ行動に場が和んだ。

彼はきょとんとしながら、ちょっとやっちまった感を
醸し出している。お父さんに促されながら、
1枚、また1枚と摘み始めた。

身体が小さいので葉が大きく見える。
両手にいっぱいで嬉しそうだ。笑顔で帰っていった。

ほろにが収穫体験は楽しんでもらえただろうが、
ほろにがキャベツは子供にはまだ早かったかもしれない。

翌日、今度は隣の年配女性が庭に出てきたので
壁ごしに声をかけた。

―あら、また頂けるの。嬉しいわ。

今回は全部一度に収穫するので、うちでは食べきれない。
消費をお手伝い頂く気分だ。

ーこれ熟し過ぎてるからすぐ食べて

お礼にトマトを2個いただいた。
つれをまじえ、素人菜園の横でしばし井戸畑会議となった。
収穫野菜の調理法から、植えてある庭木やハーブにまで
話は広がった。

こういうひと時が過ごしたかったんだよな。

久しぶりの卒業式に僕は満足だった。

記:根本

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